春分の日は3月に祝われ、この時期はお彼岸と重なるため、多くの人々がお墓参りをします。
日本では季節ごとに独特な行事が行われ、それに伴う特別な食事も存在します。
たとえば、節分には恵方巻を食べ、ひな祭りではちらし寿司が楽しまれます。
では、春分の日にはどのような食べ物を楽しむのでしょうか?今回は、春分の日に特有の食べ物について詳しくご紹介します。
春分の日に食べる伝統的な食べ物とは?
これに似た食べ物に「おはぎ」がありますが、春分の日には主にぼたもちが選ばれます。
その理由やおはぎとの違いについて見ていきましょう。
お彼岸にぼたもちを食べる理由、おはぎとの違いは?
お彼岸にぼたもちを食べるのは、小豆が邪気を払う効果があると古くから信じられているからです。
これは先祖供養の一環として行われます。
赤色は生命や炎を象徴し、魔除けの力を持つとされています。春分の日だけでなく、お正月などの祝祭日にも小豆を用いた食べ物が食べられるのは、このためです。
たとえば、小正月に小豆粥を食べる風習も、同じ理由によるものです。
ぼたもちは春の象徴である「牡丹餅」、おはぎは秋の象徴である「お萩」として知られています。
さらに、ぼたもちはこしあんが使われ、おはぎにはつぶあんが用いられる点も異なります。
春には小豆を植え、秋には新鮮な小豆を収穫します。秋彼岸には新鮮な小豆で作ったつぶあんのおはぎ、春彼岸には寝かせた小豆で作ったこしあんのぼたもちが食べられます。
時にはつぶあんを使ったぼたもちのレシピも見られますが、春分の日には一般的にぼたもちと呼ばれることが多いです。
春分の日の意味とその背景
春分の日は、自然を賞賛し生命を愛する日で、昼と夜の長さがほぼ等しくなることでも知られています。
仏教では、彼岸をあの世として西方に、此岸をこの世として東方に位置づけています。
春分の日には太陽が東から昇り西に沈むため、彼岸と此岸がつながりやすいとされ、お彼岸として墓参りを行う風習があります。
春分の日の日付とその変動性
春分の日は年によって日付が異なり、2024年では3月20日に設定されています。
お彼岸は春分の日を中心に、前後3日ずつ合計7日間続きます。
春分の日は地球の公転軌道と太陽の位置関係によって決定されるため、年によって日付が変わるのです。
お彼岸の期間もこれに伴って変動します。詳しい情報は別の記事で解説しています。
春分の日に味わうべき旬の食材
春分の日は、ぼたもちだけでなく、旬の食材を楽しむのに最適な時期です。
ここでは、春分の日におすすめの食材をいくつかピックアップしました。これらをぼたもちとともに味わってみるのはいかがでしょうか?
蛤(はまぐり)
アサリよりも大きい蛤は、春が旬の貝類です。4月の産卵期直前には身が太くなり、味も格別になります。
春分の日頃は、特に美味しい時期とされています。ひ
な祭りの食べ物としても親しまれ、縁起の良い食材として知られています。
桜のお菓子
春の代表的なお菓子として桜のお菓子があります。3月から4月にかけての桜の季節に合わせて販売されます。
一般的には、大島桜の葉を塩漬けにして使われ、特有の香りが特徴です。
この葉っぱは食用に加工されており、お菓子と一緒に食べることができます。
鯛(桜鯛)
縁起が良いとされる鯛は、一年を通して楽しめますが、特に3月は産卵期を前にしてピンク色に変わり、美しいです。
この時期の鯛は「桜鯛」と呼ばれ、春の桜と関連づけられることが多いです。
はるか(柑橘類)
はるかはミカンに似ていて、サイズはミカンの約2倍になります。3月から4月にかけて最も美味しくなり、果実が大きく食べ応えがあります。
この時期は、いよかんの旬が終わり、はるかの旬が始まる時期です。
ストロベリー
春の代表的な果物として、ストロベリーが挙げられます。ショートケーキにも使われることが多いこの果物は、そのままでも非常に美味しいです。
ストロベリーは追熟しないので、新鮮なうちに食べるのが良いでしょう。
春分の日に合う季節の食材紹介
春分の日には、春らしい食材を楽しむのがおすすめです。
ここでは、春の訪れを感じさせる食材を紹介します。
絹さや
絹さやの旬は3月から6月です。
鮮やかな色合いの絹さやは、料理に華やかさを加えるのに適しており、煮物やちらし寿司のアクセントとしてもよく使われます。
水菜
水菜は冬から早春にかけてが旬の野菜で、12月から3月が最良の時期です。
「京菜」とも呼ばれる水菜は、京都で古くから栽培されてきた背景があります。
ブロッコリー
サラダや温野菜、お弁当の具としても人気のブロッコリーは、一年中手に入りますが、特に11月から3月が旬です。
3月にはまだ寒さが残るので、チーズフォンデュやシチューなどの温かい料理にもぴったりです。
菜の花
春の象徴ともいえる菜の花は、2月から3月が旬です。
春らしいメニューを考える時に、ぜひ取り入れたい食材です。
ふきのとう
春の始まりを感じさせるふきのとうも、この季節の楽しみの一つです
2月から3月が旬で、小ぶりなものほど苦味が少なく、おいしくいただけます。
春分の日に見られる花とその選び方
春分の日には、様々な花が咲き誇ります。
特にお彼岸の時期には、仏壇に供える花を選ぶことも大切です。
春分の日によく咲く花をいくつか挙げてみましょう。
– 菜の花
– 桃の花
– チューリップ
– ヒヤシンス
– アネモネ
– タンポポ
お彼岸に供える花に厳密なルールはありませんが、一般的には毒のある花や棘のある花、香りが強い花は避けることが推奨されています。
適切な花の選び方については、別のセクションで詳しく説明しています。
春分の日におすすめの食べ物
春分の日には、邪気を払うとされるぼたもちを供えるのが一般的です。
ぼたもちは春の花「牡丹」にちなんで名付けられており、春彼岸にはこの名で呼ぶのが適切です。
ただし、地域によってはこの食べ物を「おはぎ」と呼ぶこともありますので、地域差が影響する場合もあります。
また、この時期にはイチゴやハマグリ、鯛などが旬を迎えるため、これらを取り入れたメニューを考えるのも良いでしょう。