「白露の候」の適用期間、読み方、使い方、
例文、そしてまとめについてご説明します。
「白露」は文字どおり白い露を指し、
雨がよく降る時期に適した時候の挨拶です。
この時期や意味、
そしていつ使うべきかについての関心は
高いものがあります。
そこで、この記事では
「白露の候」の使い方について
深く掘り下げてみましょう。
「白露の候」の期間はいつからいつまで？
「白露の候」は毎年9月7日頃から
9月23日頃までとされています。
なぜこの期間が「頃」と表現されるのか、
またこの期間がどのように定められているのか
については、「白露の候の意味と読み方」と
「白露の候の正しい使い方」の節で解説します。
「白露の候」の意味と読み方
「白露の候」は「はくろのこう」と読みます。
一見、「しろつゆ」や「しらつゆ」と
読みたくなりますが、時候の挨拶では主に
音読みが用いられるため、
「はくろ」と読むのが正解です。
また、「候」は間違って
「そうろう」と読まれることもありますが、
「こう」と読むのが正しいです。
「白露」とは、朝夕に空気が冷えて
植物に露が白く見える現象を言い、
「候」は時期や季節を意味します。
従って、「白露の候」とは、
植物に朝露がつく季節が訪れたことを表します。
「白露の候」の正しい使い方
旧暦は月の満ち欠けを基にした太陰暦で、
1ヶ月が約29日とされ、
これにより季節感にずれがありました。
このずれを調整するために二十四節気が作られ、
一年を24の期間に分け、
それぞれに季節を象徴する名称がつけられました。
白露もその一つですが、
現代の暦と旧暦では約1ヶ月のずれがあるため、
白露の時期に朝露を見ることは少なく、
ほとんどが残暑が続いていることが多いです。
しかし、時候の挨拶は
旧暦に基づいて作られたもので、
今もその慣習が続いています。
そのため、季節感のずれがあっても、
二十四節気に沿って使うことが
礼儀とされています。
つまり、「白露の候」は
朝露が実際に見られる時期ではなく、
二十四節気の期間に合わせて使うのが
正しいマナーとされています。
「白露の候」を使った挨拶の書き方
「白露の候」という表現は
日常ではあまり使われないため、
手紙やカードを書く際にどのように書き始めるか
迷うことがよくあります。
特にビジネス文書や上司へのメッセージでは、
この時期特有の挨拶を適切に使って
敬意を示すことが重要です。
ここでは、様々な状況で
「白露の候」を使った挨拶文の例を
いくつか紹介します。
これらを参考に、
受け手に応じたメッセージを作成してみましょう。
ビジネス文書での例
– 敬具 白露の候、
皆様の益々の繁栄を心から願います。
いつもは格別な支援をいただき、
深く感謝しています。
– 敬啓 白露の候、
皆様の事業のさらなる成功をお祝いします。
常に心温まるご支援に感謝しております。
– 敬啓 白露の候、
貴社の継続的な発展を心よりお慶び申し上げます。
日ごろの特別なご配慮に対し、
感謝の気持ちでいっぱいです。
上司や尊敬する人への例
– 敬具 白露の候、
ますますのご健康とご活躍をお祈りします。
– 敬啓 白露の候、
皆様のご繁栄を心から喜んでいます。
親しい友人や家族への例
– 白露の候、秋の訪れを感じ始めたこの頃、
いかがお過ごしでしょうか。
– 白露の候、秋の魅力が深まる時期に、
皆様の健康と幸せを願っています。
久しぶりの連絡ですが、元気にしていますか。
親しい方への手紙やカードで
「白露の候」を使う必要は特にありません。
この時期の挨拶は通常、
よりフォーマルな文脈で使われることが多く、
親しい関係では距離を感じさせることがあります。
もっとリラックスした雰囲気の挨拶を好む場合は、
「秋深まる季節ですね。元気にしていますか？」
のような簡潔で親しみやすい言葉を
選ぶのがおすすめです。
「白露の候」での手紙の締めくくり方
手紙やメッセージを終える際には、
最後に書く言葉が重要です。
どの季節でも使える一般的な
結び言葉がありますが、「白露の候」のような
季節感のある挨拶を取り入れた場合、
それに合った結び言葉を選ぶと、
手紙全体がより調和し、温かみを感じさせます。
ここでは、「白露の候」を含めた
挨拶での結び言葉の具体例を示します。
– 残暑が厳しい時期ですが、
どうかお体を大切にしてください。
心からお見舞い申し上げます。
– 最近台風の情報が多いですが、
皆様が安全でありますように心から願っています。
– 涼しい風が心地よい季節になりましたね。
夏の疲れを感じているかもしれませんが、
ご自愛ください。
「白露の候」を活用する時のポイント
「白露の候」を手紙やカードに記載する場合、
文章の始めに適した
頭語を付け加えることが大切です。
頭語は、挨拶や文章の導入部に相当し、
「謹啓」や「拝啓」がよく使われます。
これらは敬意を示す表現であり、
特にビジネス関係や尊敬する人への手紙では
「謹啓」や「拝啓」を使うと良いでしょう。
親しい人への手紙では、
頭語は不要とされることが多いです。
さらに、手紙を開始する際に頭語を用いたら、
終わりにはそれに応じた結語を使うのが一般的です。
「謹啓」の場合は「謹言」や「謹白」、
「拝啓」の場合は「敬具」や「敬白」を
結びに選びます。
女性が書く場合に「かしこ」を結語として
用いることもできますが、
この表現は少しカジュアルな印象を与えるため、
公式の書類や特に敬意を示したい場合には
避けた方が無難です。
9月に使える他の時候の挨拶
白露の候は一定の期間に限られる
特別な時候の挨拶ですが、
9月にはそれ以外にも様々な挨拶があります。
これらは白露の期間中だけでなく、
9月全体を通じて使うことができるため、
シーンに応じて選ぶと良いでしょう。
以下に、白露の候以外で
9月に適した時候の挨拶をいくつか紹介します。
涼しい風が訪れる候
8月の終わりから9月の始めにかけて使うことができ、
秋の涼しい風が感じられる時期を表します。
秋が深まり、冷たい風が吹くようになる前の、
心地よい風を楽しむ時期です。
重陽の節句を迎える候
9月1日から9日までの間に適しており、
9月9日の重陽の節句にちなんでいます。
この時期は、菊の花を愛でたり、
健康や長寿を願う風習があります。
秋の清らかな候
9月の初旬から中旬にかけて使用すると適切で、
秋の爽やかな始まりを象徴します。
新しい季節の訪れを感じさせる挨拶です。
秋分を迎える候
9月22日ごろから10月7日ごろまでが範囲で、
昼夜の長さが等しくなる秋分の期間を指します。
この時期は、
季節の移り変わりを感じるのに適した挨拶です。
秋の真ん中の候
9月7日から10月7日まで使用可能で、
旧暦における秋の中間点を意味します。
白露から次の節気である
寒露までの間を示す時候の挨拶です。
秋風感じる候
9月を通して使える挨拶で、秋の訪れとともに吹く
さわやかな風をイメージさせます。
しかし、
秋が進むにつれて冷たくなる風とは異なり、
初秋特有の風を指します。
まとめ
白露の候は9月7日から23日にかけての
特別な時期に使われる挨拶ですが、
実際に朝露が見られなくても使うことが可能です。
ただし、
地域によって朝露が見られる時期が異なるため、
10月や11月でも白露の候としては
不適切な場合がある点には注意が必要です。
